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2009年6月18日 (木)

映画「ハゲタカ」 Vol.3

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微妙に「中毒」でございます。

ええ、こんなことになるって、とうにわかっていたんですがねぇ(苦笑)

どこで何をしていても、いつの間にか考えてますよ~。

あのシーンの意味は、本当は何だったんだろうか…とか。

背景には、どんな現実があったのだったっけ…とか。

そう、2年前にもドラマ「ハゲタカ」観てそうだったけど、今度はこの映画で、「中毒」に陥っています。

 

で、こりゃまずいぞ、と昨夜は気分転換にコンサートに行ってきたんですが。

行った場所がアークヒルズ(溜池山王)だったためか、なんだか出張か商談の欧米人の方々が多い場所柄。

つい鷲津さんが打ち合わせに来てるんじゃないかと、ありえぬ妄想に目が探してしまったりして…

駄目です。

末期となりつつある…(大笑)

(コンサートは良かったですよ~!N響&準・メルクルさんの「ボレロ」聴いてまいりました!素敵なおじさまになりつつあるメルクルさんにキャーッ♪となりつつ、若々しくドラマチックでありながら、とっても緻密なこの曲を堪能。しかし、ワタクシ実は2年前にも「ボレロ」(指揮者は別)を聴きに行ってる…ちょうどドラマ「ハゲタカ」にはまっていた時に。それを思い出してまたも「ハゲタカ」にアタマがトリップする始末、むむむ。)

 

まあ、そんなイカレタひと(笑)になりつつありますが、週末にはこの映画をまた観に行こうかと思ってます。

週末のお楽しみ!(笑)

そして、考える。

この映画の本当の「意味」は?

そして、「現実」は?

 

 

 

当ブログは純粋な映画レヴューではありませんが、映画「ハゲタカ」の内容に結構踏み込んでおりますので「ネタばれあり」の「注意喚起」をさせていただいております。

 

 

 

2008年11月。

金融危機に始まった今回の世界的危機が、やがて「実業」の世界も蝕みはじめた頃。

アメリカの自動車業界がその象徴になってきました。

私の手許のメモには、11月12日に初めて

「GM,クライスラー、フォードのビッグ3が危ない」

というのが出てきます。

 

でも実は「ビッグ3」に問題があるのは、この時点で始まった話ではありません。

製造業離れしてきたアメリカでは、唯一、生き残ってきた製造業である自動車産業は、いわば国策産業。

自動車業界は、それまでもたびたびアメリカ政府からの資金援助を乞い、大枚の借金をしてきたのです。

それが、この金融危機でさらに急激に状態が悪化、もう年内に操業資金が枯渇するので支援してほしい、とアメリカ連邦議会に訴えに来ます。

 

その頃、11月20日。

NYダウはすでに8000ドル割れ。

東京はもう10月末の時点で一時日経平均が7000円割れなんていうもの凄い値をつけてしまい、悪酔いしそうな乱高下状態になっていましたが、なんとか必死で安定化させようとして日銀が0.3%などというほとんどゼロ金利にしたりしています。

この世界的株の暴落に、アメリカ自動車業界はいよいよ後がない深刻な状態。

しかし救済を求めていたはずのこの議会証言は大失敗。

もっと真面目に計画を立て直してこい!ということで追い返されてしまいます。

 

 

「ハゲタカ」の映画化の話を私が知ったのは、11月16日。

この時点では、まさか舞台が自動車会社になるとは、まったく思わなかったです。(私は原作未読ですので)

のちに初めてそれを知った時、本当に驚きましたもの。

舞台に「自動車会社」を選んだのは、もの凄い「慧眼」としかいいようがないです。

 

「アカマ自動車」は日本そのものだ、と映画作中で言われていますが、同時にアメリカそのものでもあり、今回の金融危機で大打撃を受けた先進国(G8プラスEU)そのものでもある、と言えると思うから。

 

 

 

アカマ自動車の詳細な設定は、これから回を重ねて観る際にチェックしようと思っています。

今の時点での記憶では、売り上げは年5兆円(たぶん日本の業界の中ではナンバー3か4あたりではないかな?)

社長は3代目で、おそらく「大空電機」のように、敗戦後の焼け跡からの復興組の会社

(たぶん創業60~70年くらい?もしかして戦争中は軍用車両なんかを作っていた可能性大では?)

古谷現社長に言わせると「先代、先々代が「モノ作り」に固執するあまり時代に取り残されたので、自分の代では「ソフト化」を目指す」

 

しかし、この「ソフト化」が実は大問題。

執行役員の芝野がとても心配しているのがすでに最初から見てとれるし、鷲津にもひっかかるものがある…

 

新車発表会でアカマの魂と称された、「新アカマGT」がどういった位置づけになるのか、車に乗らない私にはいまいちよくわかってないのが申し訳ないのですが。

たぶん、戦後日本が復興していく中で青年や少年たちが憧れた「夢のスポーツ・カー」

その末裔という感じなのでしょうか。

しかし、この車は「ハイブリット車」で、いわゆる「エコ・カー」でもある。

このあたりがたぶん「中国企業が欲しいと思う日本の技術」なのでしょう。

でも、満を持してハイブリット車を発表したのが、2008年じゃ、ちともう遅い。

しかも、どう見てもファミリータイプでないハイブリット車というと、いったいどの辺を顧客ターゲットとして考えているのか…

 

それはたぶん日本国内では、ない。

「金融危機前夜のバブル」に乗っかって沸いている、北米、あるいはヨーロッパ。

そこで、どうやって車を売りさばくつもりだったのか。

たぶんサブプライム・ローンのような危ういローンを組ませて、そのローンが焦げ付く可能性から目を背けてどんどん売りさばく。

そのために、スタンリー・ブラザースのような危うい投資銀行とも組む。

あるいはもっと、スタンリーにそそのかされて、アカマ自動車名義の怪しげな「社債」を乱発して資金調達していた可能性もある。

 

 

これが、古谷社長の言う「ソフト化」の正体。

 

 

いつの間にか、道を見失っていたわけです。

古谷社長が従業員の生活を守らないといけない、と言ってたのはウソではないでしょうが、その結果、支配したのは売り上げ。

売るためなら手段も選ばず。

しかもそれがどんな結果を招いてしまうのか、考えることをやめてしまった…

「アカマは日本そのもの」

そして

「アメリカそのもの」

 

 

「北米事業の展開の失敗」と鷲津政彦にばっさり切り捨てられ、古谷社長は社長解任を飲むことになります。

「君ならどうしたのか」と鷲津に食い下がる社長に、鷲津は「経営は自分の仕事ではない」ときっぱり。

そう。

アメリカ型の金融は、経営に口を出しすぎた。

それも、本当の経営ではなくて、「証券化」とか「金融工学」とかのマジックを多用して、道を迷わせた。

そのことを鷲津もまた痛感して、己の過去を戒めている瞬間だ、と私は思いました。

 

 

 

現実世界の「ビッグ3」は、かろうじてフォードが現時点では破たんを免れていますが、クライスラーもGMも「連邦破産法第11条」の申請をして、現在再建中です。

 

クライスラーは大量に発行していた「社債」を一部債権者に債権放棄させています。(これは裁判にもなりました)

そして労働組合が持っていた「社債」を「新株」に転換。

労働組合が51%の株保有で最大株主になりました。そのうえで会社の経営権をイタリアのフィアット社に売却しています。

おお、こりゃアメリカ流のEBOだ、と私なんかは思ったり(笑)

 

GMは連邦資金を注入して(300億ドル追加支援)それを新株発行、買い上げに使用。

現在アメリカ政府が60%の最大株主であり、つまり国民の税金を使っていますから最大株主は「アメリカ国民」ということになります。

そのうえで、旧・GMブランドをバラ売りに出してます。

(「オペル」はカナダに、「ハマー」が中国に買われたのは聞いた人もあるでしょうね。現在バラ売りセール中です)

また一方で、新GM社を立ち上げる、という長い道のりの過程です。

 

 

いずれにしても「イバラの道」

アカマ自動車もまた、「不可能に近い」と芝野さんが言う再建の道を今後進みつつあるのでしょう。

クライスラーやGMのように。

その過程で、願わくば、今回は道に迷わないでほしい、と痛感します。

映画も。

現実も。

 

 

 

本当は作っていたのは「夢の車」だったはず。

アカマ自動車が作っていたもの。

それは日本人の夢、だったはず。

そして、そのことを教えてくれたのは、思い出させてくれたのは、劉一華。

その人。

 

いったい、彼は何者だったのか…。

 

 

以下、続きます。

 

 

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